財団・総研の取り組みと協働

学研グループは、財団や総合研究所と協働して、教育について支援と研究を重ねています。教育情報を発信したり、子どもたちの才能を伸ばす仕組みを作ることで、事業にもその専門性を活かすことができ、社会の信頼を得ることにもつながっています。

公益財団法人 古岡奨学会

古岡奨学会は、学研グループの創業者・古岡秀人が、自身の幼少時代と同じような経済的苦境に置かれた母子家庭を支援しようと、私財10億円をもとに1980年に設立した財団です。支援の中心となるのは、母子家庭の高校生への奨学金給与(返済不要)で、2023年度新入生には年間約24万円、3年間で総額約72万円を給与します。

2011年に公益財団法人の認可を受け、2019年6月には設立40周年を迎えることができました。第1期生では134名だった奨学生数も、2023年度の第44期生では363名に増え、2023年4月現在、現役高校生1,074名を支援しています。第1期からの奨学生累計は10,068名となり1万人を超えました。
 
また「若いうちに異文化体験を」の考えのもと、2015年から海外短期留学を実施、毎年奨学生約50名が夏休み時期に2週間、海外で語学研修やホームステイ体験をします。費用は財団が全額負担。2019年(第5回)はカナダに滞在しました(2020~2022年はコロナ禍のため中止)。さらに、TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)での研修も2019年からスタート。奨学生約40名が春休みに4泊5日で「英語漬け」の異文化体験をします。
 
そのほか、タブレット端末の無償貸与や、仲間と交流できる「奨学生の集い」開催など、物心両面でのサポートに努めています。

新奨学生へ認定書授与(2022年3月・沖縄県)
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新奨学生へ認定書授与(2022年3月・沖縄県)
TGGにて英語研修(2023年3月・東京都)
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TGGにて英語研修(2023年3月・東京都)

公益財団法人 才能開発教育研究財団

才能開発教育研究財団は、1967年8月、学習研究社(当時)の出損により設立。公益事業を通して、幅広い教育支援活動を行っています。

■全国児童才能開発コンテスト

1963年に顕彰事業としてスタートし、2022年度で第59回を迎えました。小学生の文化的・科学的な才能の育成を目的に図画・作文・科学の3部門で作品を募集しており、3部門合計で約25,000点の応募がありました。

■日本モンテッソーリ教育綜合研究所

1976年の開設以来、日本におけるモンテッソーリ教育の普及発展に貢献するため、附属の幼児教育施設における実践・研究活動とともに、さまざまな教師養成講座の運営を行ってきました。中でも2019年に開設した「教師養成アドバンスコース(2022年度より「国際資格取得コース」に改称)」は、2021年、日本で初めてA M S(アメリカン・モンテッソーリ協会)とMACTE(モンテッソーリ教師教育認定評議会)という世界でも有数のモンテッソーリ教育機関より正式に認可を取得し、両機関が認定する「日本初」のコースとなりました。時代に合わせて進化するモンテッソーリ教師を輩出すべく、ハイレベルなプログラムの提供を今後も引き続き行っていきます。

■教育工学研究協議会

長年培った教育工学の知見や経験をもとに、教員研修やIMETSフォーラムを教員支援として開催しています。2023年からは、新たに「教員研修プログラム」を立ち上げました。国の教員免許状更新制の発展的解消に伴う、「新たな教師の学び」を支える事業として、今後も現場の先生方に良質な学びコンテンツを提供していきます。

学研教育総合研究所

学研教育総合研究所は、設立以来、学研グループの教育シンクタンクとして、家庭・学校・地域の場において変化する「学びの価値・学びの姿」を見つめ、社内外に発信しています。
 
1980年代から続く「白書」シリーズは、幼児、小学生、中学生、高校生を対象とする大規模調査です。調査内容は好きな教科などの学習に関すること、将来つきたい職業などの将来に関することなど多岐にわたっています。これらの調査結果はテレビ、新聞等のメディアや企業の研究機関等でも取り上げられ、時代とともに変化する子どもたちの「今」を伝えています。
 
2022年の調査では、「将来役に立つ教科はない」と答える小学校6年生が2021年調査の5.5から10%に増えるなど、見逃せない変化がありました。Society5.0社会に生きる子どもたちの将来を思い描くなか、今の教科教育のあり方・学び方にも変化の兆しが表れています。その結果がこの数字に表れているように思われます。
 
また、社会の環境が変化していく現代において、学研が「成長と学び」をどう捉えているか、何を大切にしているかを社内で共有するため、「学びマップ」の作成を進めてきました。「学研の商品・サービスは、学ぶ人に寄りそう環境の一つである」「減点ではなく加点で学びを考えるのが学研である」という視点に立ち、乳児期から100歳までの育ち・学びにおいて育まれていく能力や獲得したい力などをまとめています。

「学びマップ」を2023年9月期にスタートしたGakkenの商品・サービスの多様性をふまえた「ゆるやかな学びのガイドライン」と位置づけて、乳幼児・小学生・中学生・高校生までをまとめ、社員のよりどころとなるように、まずは乳幼児から小学生までを社内イントラで公開しました。人生100年時代を受け、今後は成人以降の「学びマップ」を作成する予定です。
「学びマップ」は変化する時代に合わせて随時アップデートしながら、グループ理念である「すべての人が心ゆたかに生きる」ための「学び」を提供するバックボーンとして活用します。

■将来つきたい職業トップ3(小学生)

2022年

1995年

女子

男子

女子

男子

1位

パティシエ

YouTuber

幼稚園の先生

プロサッカー選手

2位

保育士・幼稚園教諭

プロサッカー選手

小・中・高の先生

プロ野球選手

3位

医師

警察官

看護師

サラリーマン

学研教育総合研究所(小学生白書)

子どもたちのつきたい職業は、時代とともに変化しています。

「学びマップ(幼児版)」の部分。育ちの特徴がわかる資料として、<br/>社内イントラで共有しています。
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「学びマップ(幼児版)」の部分。育ちの特徴がわかる資料として、
社内イントラで共有しています。

学研科学創造研究所

学研科学創造研究所は、学研の科学コンテンツを財産として、科学技術の振興ならびに科学技術や知識の普及を目指した活動を行っています。「百聞は実験にしかず」の合言葉のもと、実験教室や実験ショーなど、子どもから大人まで誰もが感動できる「科学する場」を提供し、「クリエイティブに科学する心」を持つ人材の発掘や支援、育成を行っています。
 
2022年11月には、150周年を迎えた東京国立博物館で行われた「150年後の国宝展」に出展。「科学のふろく」が150年後の国宝候補として展示され、多くの来場者に科学の楽しさを懐かしさとともに伝えました。顕微鏡や望遠鏡、人体骨格模型にカメラなど100以上のさまざまな付録の、見るだけでなく体験できる展示は、親子孫と三世代にわたる来場者を楽しませました。
 
クリスマスには学研ビル1階ロビーに設置されるクリスマスツリーに、恒例の科学ごころ満載のオーナメントを制作しました。2022年のテーマは「サステナブルと水素社会」。水素エネルギー社会を表現したジオラマでは、足踏み発電で水を分解して、水素を作り出しました。ほかにもクイズに正解すると、サンタクロースがプレゼントを運ぶ「SDGsタワー」やリニアモーターカーの走るサステナタウンなど、サステナビリティを身近に感じてもらうしかけがたくさん。11月29日の点灯式では『学研の科学』編集部「あそぶんだ研究所」、通称「ぶんだ研」の面々が楽しいコスチュームで現れ、Gakkenこども園園児にオーナメントの実演および解説を行いました。

1960年代から50年近くにわたる、<br/>さまざまな付録が展示された「150年後の国宝展」。
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1960年代から50年近くにわたる、
さまざまな付録が展示された「150年後の国宝展」。
点灯式を盛り上げた、「ぶんだ研」のメンバー。
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点灯式を盛り上げた、「ぶんだ研」のメンバー。

CSR 活動

これまでに行ってきたおもな海外支援活動

印のあるものは、「学研カード」の利用金額の一部を、教育や医療に関する社会貢献を行う団体に寄付し、発展途上国の環境整備を支援したもの。
※2022年からのウクライナ支援活動については、こちらをごらんください。

2022年9月期に行った、社会とつながるおもなCSR活動

TOKYO GLOBAL GATEWAY

大学生・高校生向けの海外インターンシッププログラムを運営する株式会社スパイスアップ・アカデミアの、SDGs国際貢献インターンシッププログラム「2022年春休みTOKYOサムライカレープロジェクトオンライン」に参加した学生の研修を行いました。

アイ・シー・ネット

オウンドメディア「NEXT BUSINESS INSIGHTS」をリリース。日本では入手しにくい途上国の情報を日本語で提供することで、少しでも多くの日本企業が途上国でビジネスを展開し社会課題解決に繋げることを目指しています。

Gakken

読み聞かせ会として、絵本作家の中川ひろたかさんらによる歌と朗読のイベントを学研ビル13階にてリアルとオンラインのハイブリッドで開催しました。

Glats

2021年末にフィリピンを襲った台風による被害について、285万円の義援金を集め、セブ島の講師支援として活用しました。

創造学園

「エディック・創造学園 × Gakken 小中学生 学び応援プロジェクト!」を始動し、コロナ禍で通学できない児童・生徒の「学び」を支援。オミクロン株の感染急拡大により、自宅待機を余儀なくされている児童・生徒に対し、グループ内の学研プラス発刊『学研の総復習ドリル 小学1~6年』『学研ニューコース問題集』『10日間完成 中1・2の総復習』等の問題集を無料プレゼントし、兵庫県のご家庭での学習を支援しました。(写真下・左)

学研スタディエ

福島県郡山市の進学塾大志ゼミナールで、楽しみながらSDGsを学べる、無料の小学生イベントを夏休みに開催しました。

アイ・シー・ネット

イラクのバスラ地区にある小学校10校で、学研科学実験教室を実施。日揮グローバル株式会社のCSR事業パートナーとして参画しました。(写真下・中央)

文理学院

山梨・静岡で活動する子ども食堂5団体に寄付を行いました。今年で3回目となります。社員・生徒・保護者から寄せられた寄付金と夏期講習の売り上げの一部から総額165万円を贈りました。(写真下・右)

学研エデュケーショナル、学研ココファン・ナーサリー

児童発達支援事業所「クロッカ」内に「学習支援コース」の創設に向けたトライアルをスタートしました。

学研ステイフル

横浜こどもホスピス~うみとそらのおうちのご利用者様などに、文具・知育玩具をお届けしました。

ウクライナへの支援について

アイ・シー・ネットは、2022年7月から約3週間、ウクライナの隣国であるルーマニアとモルドバでウクライナ難民、特に子どもたちの教育環境を調査し、現地のニーズを把握しました。 
 
調査中は、どんなところに支援が行き届いていないか確認するとともに、孤児の宿泊施設の改修や、調理室の雨漏りの修理など緊急性の高いニーズには、即断し現地で支援を行いました。
 
現地のニーズを確認した上で、いくつかの支援を具体化していきました。特に大きな取り組みの一つは、近隣の国に避難している子どもたちが、ウクライナ語で学べる機会が少ないという現状に対し、母親たちにより実施されている補習校を支援する取り組みです。学研エデュケーショナルの教材をもとにウクライナ語版を作成し、子どもたちが学べる環境を支援しました。
 
Gakkenは、現地と、日本に避難された子どもたちに、ウクライナ語版Play Smart(幼児向けワーク)を配布。どんなときも学びを止めてはいけない、という考えのもと、支援を進めています。
 
学研ビルでは、年末に恒例のクリスマスツリーの飾りつけと合わせて、従業員向けの募金活動を実施し、従業員が世界に目を向けるきっかけづくりにもなりました。
 
今後、アイ・シー・ネットでは、ウクライナ難民へ日本企業が協力して支援ができるプラットフォームを構築していきます。プラットフォームでは、参画企業から提供された商品やサービスを必要な支援先に届けるだけでなく、受け取った現地の人々からの声などをフィードバックします。これは、より効果的な支援につなげるという目的に加え、当該地域での事業展開に役立てていただきたいとの考えからです。 

2022年7月の調査のようす
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2022年7月の調査のようす
補習校での指導のようす
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補習校での指導のようす