Y.M.

中央:(株)学研ココファン・ナーサリー Gakken ほいくえん さいたま新都心 園長

A.O.

右:(株)学研ココファン・ナーサリー Gakken ほいくえん さいたま新都心 副主任(保育士)

M.N.

左:(株)学研ココファン・ナーサリー Gakken ほいくえん さいたま新都心 副主任(栄養士)

「Gakken ほいくえん」は、子育て支援事業を幅広く展開する(株)学研ココファン・ナーサリーが運営する保育園で、首都圏を中心に46園あります。その中のひとつ、「Gakken ほいくえん さいたま新都心」(埼玉県さいたま市)で園長を務めるY.M.さん、保育士のA.O.さん、栄養士のM.N.さんの3人に、日々の保育への取り組みや職場環境、学研が運営する保育園ならではの特長、仕事を通じた社会的課題の解決など、さまざまな角度からお話を聞きました。

子ども、保護者、職員で「ワンチーム」の保育園に

これまでの経歴を教えていただけますか。

大学の教育学部を卒業して、新卒で「Gakkenほいくえん」の保育士になり、今年で8年目になります。当園(さいたま新都心)では、副主任として幼児クラス(3、4、5歳児)のリーダーを務めています。
入社後、当園の新規開設準備を含め、2つの園で保育士として4年間勤務しました。そして、その後、2020年に月刊の保育絵本を出版している(株)学研教育みらい(現(株)Gakken)絵本編集室に出向しました。この編集室では、現場の保育士の目線で、子どもたちの発育・発達に合わせた園直販の絵本の制作に携わりました。
数ある保育園の中から「Gakken ほいくえん」を選んだ理由は、1園の保育士の仕事にとどまらず、新規園の立ち上げや、学研グループ内の他業種への挑戦ができる環境に大きな魅力を感じたからです。3年間の絵本編集を経て保育士として再び当園に戻った今は、作者や編集の意図を理解した上で絵本を保育に活用するなど、保育士としての引き出しが格段に増えたと感じています。

私は新卒で「Gakken ほいくえん」の栄養士となり、今年で10年目となります。これまで当園を含め、2つの園の新規開園に携わりました。
現在は当園の副主任のほかに、埼玉エリア7園の栄養士のエリアリーダーを務め、埼玉エリアの栄養士会議やエリアリーダー会議で、現場と本部をつなぐ役割も担っています。

2年前、(株)学研ココファン・ナーサリー入社と同時に当園の園長に就任しました。
保育現場の経験自体は長く、短大卒業後に保育士として25年勤めた保育施設では認可外園を認可園にすることに尽力しました。保育士23年目には大学への編入学も果たし、保育士として働きながら大学で学びました。私が短大で勉強した遠い昔に比べて今は、保育指針も社会情勢も大きく変化しており、若い保育士と触れ合う職場ということもあって、知識や保育観のアップデートが必要だと気付いたからです。大学卒業と同時に都内の社会福祉法人の新規園に転職して、園の立ち上げに携わりました。立ち上げた園の園長として2年間勤めた後、(株)学研ココファン・ナーサリーに転職し、現在に至ります。

この仕事で大切にしていることは何ですか。

子どもたちについては、なんといっても、朝お預かりしたまま、帰りにお戻しすることが大前提です。その上で、「子ども主体」をベースに、すべての子どもが生まれながらに持っている「育ちのチカラ」を伸ばす保育に日々取り組んでいます。
職員については、副主任として保育士一人ひとりの個性を理解して、アドバイスや声かけをし、悩みに寄り添うことを心がけています。

栄養士として、子どもたちに給食を提供するにあたり、何よりも大事なことは安心安全で、事故を起こさないということです。保育士とも連携し、保育の一環として、日々の食事を通した「食育」にも力を入れています。毎日の給食時の見回りで、私たち栄養士が姿を現すと、保育士が「給食の先生が来たよー」と声かけをしてくれます。幼児クラスになると、自分から「野菜、全部食べたよ」「今日は、おかわりないの?」「今度、こういうおやつを出してほしいな」と話しかけてくれる子もいます。苦手なものがなかなか食べられない子どももいますが、「給食の先生」である私たち栄養士が行くと、がんばっているところを見せようとして食べてくれることもあります。

私がこの仕事で大切にしていることは、学研グループの一員という面から言えば、埼玉エリア内の他園との横のつながりの強化です。職員が足りなくて困っているときは、お互いに職員がヘルプに入ることもあるので、園長同士の情報共有を密にしています。「Gakkenほいくえん」の園長たちは皆、複数の園を経験し、豊富な保育経験を持つ人ばかりですので、お互いの園のことを相談し合うこともあります。
当園の園長として保育の面から言えば、当たり前のことながら全員が大切です。子どもも、保護者も、職員もです。そのために「ワンチーム」の目標を掲げて、一人に問題を抱え込むことがないように、みんなで解決していく姿勢を共有しています。栄養士と保育士の連携や、担任が変わっても以前のクラスの子どもとの信頼関係を大切にする姿勢なども大事にしています。そうしたことが保護者の安心につながるからです。当園では、まず保護者の話を聞く、お話ししたいことを全部聞くことを日頃から心がけています。保護者が園長に何を求めているのか言い出しやすい雰囲気をつくり、保護者が本当に言いたいことが何なのかを、会話の中から探し出せるようにしています。

学研の保育園ならではの教育コンテンツとサービス

他の園にはない、学研グループが運営する保育園としての魅力は何でしょうか。

学研グループが保有するコンテンツを使用できることは、学研グループの保育園ならではの魅力的だといえますね。「保育えほん」や図鑑、言葉と数に対する子どもたちの知的好奇心を育む「もじかずランド」、心技体の考えを中心とした「スポーツチャンバラ」など、今思いつくだけでもたくさんあります。
当園では来月から「学研幼児教室」がスタートします。今週の体験会には保護者の半数の方が申し込まれました。やはり、学研イコール幼児教室というイメージがあり、園の見学でも、そのことをよく聞かれます。「学研だから、きっと何かやってくれるはず」と多くの保護者から期待されているのかもしれない、と改めて感じました。早めにお迎えに来て習い事に連れて行かれる保護者も多いので「保育の延長で幼児教室も実施してくれるなら、送り迎えが無いので助かります」とのお声もいただいています。
職場環境私がいちばん、魅力だと感じているのは女性健診が受けやすいことです。一般的に保育の仕事は平日休みが取りにくいのですが、学研グループは女性健診のお知らせが皆に来るので、健診のための休みや半休を取るのは当たり前、という考えが職場に定着しています。働く女性の健康への深い配慮を感じますね。

「Gakkenほいくえん」で働いて良かった、と思うエピソードを教えてください。

当園では、子どもたちが「行ってきまーす」「ただいまー」「おはようございます」と、みんなで挨拶してくれます。もともとは保育士が子どもたちに「ご挨拶しようね」と教えたのが始まりですが、私が嬉しく思うのは、上の学年が挨拶しているのを見て、下の学年の子どもたちが憧れの気持ちからまねっこして挨拶するようになること。挨拶の習慣が、園児たちの間に自然な形で代々受け継がれているのです。子どもは子どもの力によって育っていくこともあるんですね。子どもたちの成長する力と、それをサポートする保育の力に改めて感動を覚えました。家庭で、そして小学校に行っても続けてほしい習慣です。

やはり、子どもたちができることが日に日に増えていくことですね。たとえば、少し前までは、子ども同士がケンカするたび、私が仲裁してなだめていたのが、いつの間にか子どもたち自身で解決できるようになっている。私がおもちゃを片付けていると「先生、手伝ってあげるよ」と声をかけてくれる。そんなとき、「ああ、成長したな」と思います。とはいえ、子どもたちの成長は三歩進んで二歩下がる。どうしたら子どもたちが健やかにのびのびと成長していけるのか、保育士としての自分の関わり方をいつも真剣に考えています。
だからこそ卒園の時は、感慨深いですね。お別れの言葉を言う背中が、とても大きく見えます。きっと一緒に過ごしてきた時間がそうさせるのでしょうね。

この前まで離乳食を食べていた赤ちゃんが、卒園式でしっかりと別れの言葉を言えるようになるのは、私も本当に胸が熱くなります。
先ほど給食についての子どもたちからの声を紹介しましたが、保護者の方からは「家では食べないのに保育園の給食だと食べるようです。レシピを教えてもらえませんか」とか、「保育園のスイートポテトが世界一おいしい、って子どもが言っていました」というようなお声をいただくことがあります。栄養士としてとても嬉しく、大きな励みになります。
 

子どもたちを包むやさしさを地域に、未来に広げたい

今後の目標、挑戦したいことはありますか。

働きやすく、やりがいを感じる職場環境づくりです。埼玉エリアのエリアリーダーとして、栄養士みんなが長く勤め続けられるように、サポート体制を強化していきたいと思います。昨年度からは、埼玉エリア各園の巡回サポートも始めました。各園の現場に入って、悩みがあれば聞き、一緒に解決できることは解決し、必要があれば本部につなぐという取り組みです。今後は巡回をもっと増やしていきたいと考えています。

保育に関しては、「子ども主体」のさらなる追求はもちろんのこと、同時に卒園後の小学校の集団生活という観点から、子どもたちが自分のやりたいことや自分の気持ちを尊重しつつも、それをどう切り替え、集団行動の中でバランスをとるか、ということを考えていきたい。それが私の今後の課題です。

保護者の中には、さまざまな家庭の事情や問題を抱えて、お子さんをやむなく預けている方もいらっしゃいます。子どもたちを笑顔にするために、まずは保護者の気持ちに寄り添いたい。「園長に相談すればきっとなんとかなる」と保護者に思ってもらえるような雰囲気作りに努めたいと思います。

「Gakkenほいくえん」の仕事を通じて、どのように社会を変えていきたいですか。

「コミュニティ・ペアレント」という言葉があります。地域全体が子どもたちの親となって、子どもたちを見守り、育てる、というような意味です。「Gakkenほいくえん」は「子育て支援イベント」などを通じて、自園だけではなく、それ以外の子どもたちや保護者を見守れるように地域とのかかわりを大切にしています。「コミュニティ・ペアレント」の輪が今後ますます広がっていくことを願っています。

当園には、さまざまな個性を持った子どもたちがいます。子どもたちが、互いにちがいを受け入れる経験が、今後、社会に出たときに役立つはずです。子どもたちが、これから大人になっていく中で、自ら考えて選択したことが認められ……。自分はもちろん、他の人の考えや選択も尊重して多様性を互いに認め合えるような社会になってほしいと思います。

幼い子どもを持つ人を揶揄する「子持ち様」という言葉をインターネットで目にすることがあります。残念なことに、今の世の中は子どもたちにとっても保護者にとっても決してやさしい世の中とはいえません。だからこそ生きづらさを感じる保護者を支えたい。少なくとも当園、そして学研グループの子育て支援施設は、やさしさに包まれた場所であってほしい。そして、当園の子どもたちが大きくなったときに「そういえば保育園のとき、まわりの大人たちは、とてもやさしかった。その中で自分は育ってきたんだ」と思い出してほしい。まわりにいる小さな子どもたちに同じようなやさしさで接してほしい。当園で子どもたちの間に自然に挨拶が浸透していったように、それがまわりの人たちにもどんどん広がって、いつか子どもや子育てにやさしい世の中が実現したらいいな、と心から思います。

Y.M.

(株)学研ココファン・ナーサリー 「Gakken ほいくえん」さいたま新都心 園長

2022年に(株)学研ココファン・ナーサリーに入社。園長として、職員とともに子どもの最善の利益を目指し、子ども一人ひとりの人格を尊重した「子ども主体」の保育を展開する園づくりを行っている。管理業務をはじめ、各機関・地域・保護者・本社との連携などの園運営にも携わっている。
お酒(特に泡盛)が好きで、友人と飲み歩きすることが至福。

A.O.

(株)学研ココファン・ナーサリー 「Gakken ほいくえん」 さいたま新都心 副主任(幼児リーダー)

2016年に(株)学研ココファン・ナーサリーに新卒入社し、神田万世橋、さいたま新都心(新規園)の保育園に保育士として勤務。2020年から2年間、(株)学研教育みらい(現(株)Gakken)絵本編集室に出向し、月刊保育絵本の編集に携わる。2022年に「Gakken ほいくえん」さいたま新都心に戻り、現在は保育士として働いている。
大学時代によさこいを始め、現在も社会人サークルに所属している。

M.N.

(株)学研ココファン・ナーサリー 「Gakken ほいくえん」 さいたま新都心 栄養士(埼玉エリアリーダー)

2015年に(株)学研ココファン・ナーサリーに新卒入社。保育園での栄養士業務を行う。2度の新規開園にも携わり、現在は埼玉エリアの栄養士のエリアリーダーを務める。
犬と一緒に暮らしていて、帰宅すると毎日、熱烈なお出迎えをしてくれる。

※ご紹介した情報、プロフィールは取材当時(2024年9月)のものです。

サービス・事業紹介

  • 認可・認証保育所、こども園の受託運営
  • 公設民営化による公立保育園の受託運営
  • 大型開発に伴う複合型子育て支援施設の受託運営
  • 児童健全育成機能施設の受託運営
  • 子育て支援の立上げ・運営コンサル事業
  • その他子育て支援施設の受託運営全般