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研究分野:脳力開発研究分野

脳研の研究成果:ブレインイメージング研究と脳の活性化

大脳は「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の4つに分けられます。そこではそれぞれの部分によって機能が分担されています。その中でも重要なのが前頭葉にある「前頭前野」です。ここではコミュニケーションや、感情のコントロール、意思決定、記憶命令、行動の抑制、思考など人間としてとても大切なことを行っています。

脳を活性化する方法がわかってきた

 東北大学未来科学技術共同研究センター教授の川島博士が取り組んでいる「ブレインイメージング研究」では、「f-MRI」とか「近赤外線測定装置」を使用して、いろいろな課題に取り組んでいるとき脳のどの部分が働いているのかを調べています。驚くべきことに複雑な計算をするより「2+3+1・・・」など単純な計算をしている時のほうが脳を広範囲に使っているのです。それも大切な「前頭前野」が活発に働きます。前頭前野が活性化することは認知症の病状軽減や予防にも役立つことにつながります。川島教授が福岡や京都、仙台で行ってきた音読と計算による方法で認知症が改善されたという研究成果が発表されています。

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共同研究からわかってきたこと

 学研では、この川島教授の画期的な研究に賛同し、その指導のもとの共同研究ということでゲームやカードなど知的な刺激を与えそうな用品から輪投げなどの身体を動かすものまで約200点の用品、用具を子どもから高齢者まで、いろいろな方に使っていただき、そのときの脳活動を測定しました。その結果は、予想どおり脳を活性化したものもあれば従来、頭を使いそうだと考えられていたものが、前頭前野を休ませる効果をもっていたり、さまざまな結果が出ました。

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昔の遊びや、手を使う遊びが脳を活性化させる

 興味深かったのは、「そろばん」とか、「写経」「わらじを編む」など昔からある用具を使った作業や、手を使って何かを作ろうとする創造的な行為、例えば、編物をするとか、折り紙を折るなどの行為で大変、脳が活性化されたのです。逆に、ある種のTVゲームは前頭前野を鎮静化しました。長時間のTVの視聴や、ある種のTVゲームは脳を休ませたままにしていることになるので注意する必要があります。

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人とのコミュニケーションや身体をつかう積極的な関わりが脳を活性化させる

 音読や計算によって脳が活性化することは事実ですが、加えて、認知症の高齢者には、毎日音読、計算という行為によってケアする人とのコミュニケーションが良くとれるようになってきたこと、人間としての尊厳が満たされてきたことが症状の改善につながってきたのではないかと予想されています。さらに、興味深かったことは、カラオケ装置で歌っても脳は活性化しないのに、ギターや鉄琴などの楽器を演奏すると脳が活性化したのです。また、高齢者のレクに使われる室内サッカーやゴルフでも驚くほどの好結果となりました。これも身体を大きく動かすことと、プレーをすることで人とのコミュニケーションを促すことによるものとも推測されます。
 以上のことから見えてくるのは、まさに高齢者ケアに従事される方が日頃から大切にされていることに重なってくるということです。アクティビティーグッズの選択も大切ですが、それをどう生かすか?生かす人と人との関係の大切さを考えさせられました。

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