お役立ち教育情報 あかはなそえじ先生の 院内学級の教師として学んだこと【第1回】

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2021.1.28

院内学級の教師として、赤鼻のピエロとして関わるなかで、笑顔を取り戻し、治療に向かう意欲を高めていく子どもたち。その経験をもとに、子どもとの接し方や保護者・家族との関わり方、院内学級の必要性、教育の重要性などについて語ってくれます。

第1回 はじめまして

はじめまして。あかはなそえじこと副島賢和(そえじま まさかず)です。

病院の院内学級での関りを通して、子どもたちから教わったことなどをお伝えしたいと思います。よろしくお願いいたします。

「病気の私たちに学習は必要ないの?」と子どもから聞かれたら、どう答えるでしょうか。

きっと多くの方は「それは必要。当たり前」と答えるでしょう。子どもたちはたとえ入院をしていても、治療中でも勉強のことを気にしています。

そんな子どもたちを見て、多くの大人は「今はゆっくり休んで、しっかり治すときだよ」と言います。教師も「大丈夫。待っているからね」と言います。私も教員時代、そう言っていたことがありました。

病気を抱えた子どもたちにとって、学習の目的が「遅れを取り戻すこと」「空白をなくすこと」だけだとしたら、「元気になってからやればいい」で通用するかもしれません。

しかし、病院の中の学校、学級や訪問によって行っている教育は、それだけを考えているわけではありません。子どもたちにとって「学ぶことは生きること」です。

学ぶことを通して、教科書に書いてあることを理解する以外に、もっと多くのことを身につけていきます。特に病気を抱えた子どもたちにとっては、学ぶことが肯定的な自己イメージを持つことにつながります。このイメージを持つことは、つらい治療に向かうエネルギーになったり、つらい体験を納得のいく物語として紡いでいくベースになったりします。

多くの方々のご尽力のおかげで2006年にたどりついたのが、昭和大学病院内「さいかち学級」(品川区立清水台小学校病弱・身体虚弱特別支援学校)でした。

ここでは約1700人を超える子どもたちとの出会いがありました。2、3日の関わりだった子どもたちもいます。10年の付き合いになる子どももいます。残念ながら本人は旅立ちましたが、その両親やきょうだいとのお付き合いが続いているご家族もおります。

そんな出会いの中で、彼らや彼女らがたくさんのことを私に教えてくれました。

「人との関わりに大切なこと」

「自分も相手も大切にするために必要なこと」

「教育者として大人として大事にしていかなくてはならないこと」など。

それを皆さんにお伝えして、一緒に考えることができたらいいなぁと思います。

これらの大切なことは、決して病院の中だけのことではありませんし、病気を抱えた子どもたちの教育のことだけではないと考えます。

私が「病気を抱えた子ども」「病気による困難を抱えた子ども」という言い方をしたとき、皆さんは「傷つきのある子ども」「困難な状態にある子ども」を思い浮かべ、考えていただけるといいかと思います。また、私が「院内学級」「病院の中にある学校・学級」とお伝えしたときには、ご自分のお子さんの学校や学級、職場や家庭、コミュニティを思い浮かべていただけるといいと思います。

「それは病気の子どもたちの話でしょう」「院内学級のことでしょう」と遠くに置くのではなく、共通していること、アレンジできることなどを、ご自分の文化に引き寄せて読んでいただけますとうれしいです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

第2回はこちら


あかはなそえじ先生

あかはなそえじ先生・副島賢和(そえじま まさかず)

昭和大学大学院保健医療学研究科准教授、昭和大学附属病院内学級担当

1966年、福岡県生まれ。東京都の公立小学校教諭を25年間務め、1999年に都の派遣研修で東京学芸大学大学院にて心理学を学ぶ。2006年より品川区立清水台小学校教諭・昭和大学病院内さいかち学級担任。2009年ドラマ『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)のモチーフとなる。2011年『プロフェッショナル 仕事の流儀「涙も笑いも、力になる」』(NHK総合)出演。2014年より現職。学校心理士スーパーバイザー。ホスピタルクラウンとしても活動中。

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