学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句 第10回

  • 保護者
  • 小学生

2021.1.6

28歳の若さで学研の編集者と俳人、2つの顔をもつ中西亮太が、毎回オススメの季語と俳句を紹介していくこのコーナー。今年最初は、今回限定の「新年」の俳句です。プロフィール中の、本人の作品にもご注目ください!

第10回 新年の俳句

旧景が闇を脱ぎゆく大旦

(きゅうけいが やみをぬぎゆく おおあした)

中村草田男(なかむら・くさたお)

新年を詠む

新年あけましておめでとうございます。今年はどのような1年になるでしょうか。

さて、俳句には季語を集めた「歳時記(さいじき)」という本があります。この本では、季節が5つに分けられています。普通、季節は春・夏・秋・冬に分けますが、俳句では、これらに加え、「新年」というくくりがあります。新年には、この時期特有の出来事や催(もよお)し、雰囲気があるため、特別な季語として用意されています。

今回の句の「大旦」とは「元旦」、つまり「1月1日の朝」のことです。初日の出でも見ていたのでしょう。遠くを眺めているとゆっくり太陽が昇ってくる。いろいろあった去年を、振り切るように、さわやかな光がまっすぐに伸びてくる。作者はこの景色を「闇を脱ぐ」と表現しました。

「闇」という言葉や、「脱ぐ」という擬人法に、昨年の出来事や、それに対する作者の心情が映し出されているようです。「大旦」という新しさ、さわやかさをもった言葉に、転機や希望を詠み込んでいるようにも思えます。

一般に俳人は、その季節の俳句を作ります。つまり、新年の句を詠める時期は今だけと言っても過言ではありません。新年にはまだまだいろいろな季語があります。みなさんもぜひ、俳句を通して新年を感じてみてください。

俳句のキーワード「句会

句会とは、何人かで集まって、俳句を見せ、鑑賞し合う場です。多くの俳人は、句会で試しに披露してから、作品を公(おおやけ)に発表しています。

細かいルールは句会によって違いますが、一般には、無記名で俳句を提出して、自分の句以外で良いと思ったものに点を入れます。点を入れた句には、どうして良いと思ったのか、感想を簡単に述べたりします。

句会の種類としては、みんなで散策をしてからする句会(吟行[ぎんこう]句会)、お題が与えられる句会(席題[せきだい]・兼題[けんだい]句会)、みんなで封筒の表面にお題を書き合い、封筒を順に回して、その中に作品をどんどん入れていく句会(袋回し)などがあります。他にも、メール句会があったり、最近ではオンライン句会も登場しました。

中西亮太の「学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句」は、第1・第3水曜にお届けします! 次回もお楽しみに♪


中西亮太(なかにし りょうた)

1992年生まれ。株式会社学研プラスの編集者。大学生のとき、甘い考えでうかつに俳句をはじめる。過去に、第14回龍谷大学青春俳句大賞最優秀賞、NHK-Eテレ「俳句王国がゆく」出演など。「艀」(終刊)を経て、「円座」「秋草」現代俳句協会所属。俳句とは広く浅く長く付き合いたいと思っている。新年の作品に〈なめらかに白壁つづく初日かな〉。