お役立ち教育情報 【入学準備】入学前に知っておきたい「小学校の国語」って?

  • 保護者
  • 幼児
  • 小学生

2020.12.25更新

年長のお子さまを持つ家庭では、来春の小学校入学が気になり始める時期。特に初めての体験となる学校の授業については、不安を覚える保護者の方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、小学校入学直後の国語の授業について取材しました。授業内容のほか、入学前に準備しておきたいことについても、現役小学校教員の遠藤裕美子先生にお聞きしました。

入学直後の国語の授業、何をする?

 ――幼稚園、保育園と小学校との一番の違いは、座学での「授業」が始まること。まず、小学校に入ったばかりの子どもたちが、国語の時間にどんな授業を受けるのか、教えてください。

 「『授業』というと堅苦しいイメージですが、小1の初めの授業はコミュニケーションをベースに進行します。教科書も絵で構成されていて、文字はありません。絵を見ながら『くまさんは何をしているのかな?』『うさぎさんとおさるさんは何のお話しをしているんだろう?』といったように、想像したことを自分の言葉で話す練習から始めます」(遠藤先生)

――実際に教科書を見せていただくと、ポップで楽しそうなイラストがたくさん。最初の数十ページは、文字もほとんどありません。「よみかき」を始める前に、まずは考えたことを言語化することを学ぶのですね。

 「そうですね。入学して少し経って、先生や友達の発言は静かに聞く、発言するときは挙手をするなど、授業の進み方がわかってきたところで、ひらがなの練習が始まります。1日1文字、多くても2文字のペースで進むので、1学期が終わる前にはすべてをマスターできることになります。そのほか、先生が読んだ文章について意見を言ったり、先生が読んだ文章を復唱したり、ひらがなが読めるようになったら音読をしたりします」(同)

――1時間の授業は、どんな構成で進むのですか?

 授業は45分が1単位ですが、子どもの集中力を加味すると、初めは12~13分ごとに区切って雰囲気の違う3つの内容で構成するようにしています。5月ごろになって慣れてきたら、20分ごとの前後半に。また、新生活を送る子どもたちは『いつものパターン』に安心するので、私はよく前半に、やり方がパターン化しやすいひらがなの練習、後半はお話を読んだりといった構成にしています」(同)

――なるほど。小学校に上がったばかりの子どもたちが飽きずに授業に取り組めるよう、工夫されているのですね。

外遊びで「勉強に向いた体づくり」を

―― 国語の勉強をスムーズに始めるべく、就学前に家庭でしておくべきことはありますか? 今は早くからひらがなの読み書きのできるお子さんが多そうですが……。

 ひらがなに関しては、入学時に自分の名前が読めて、なおかつ書くことができていると良いですね。幼稚園、保育園では持ち物をマークでも判別できたかもしれませんが、小学校の名前は文字のみ。自分の道具も増えるので、名前が読めないと困ります。また、ペーパーなどに名前を書いて提出する機会も増えるので、ぜひそれだけは練習してきてください。

 先取り学習をしなくては、と焦ってしまうかもしれませんが、文字の書き方などの練習を自己流で進めてしまうことで、鏡文字やおかしな鉛筆の持ち方が定着してしまい、なかなか直せないということもよくあるんですよ」(同)

――先取り学習も、やり方を間違えると逆効果になりかねないのですね……。では、そのほかに家庭で準備できることは何かありますか?

 「最近の子どもたちは、鉛筆がしっかりと握れなくて筆圧が弱かったり、体幹が弱くてまっすぐ座れなかったりという傾向にあります。これらは、体を使った遊びが減ったせいだといわれます。もししっかり準備をしたいと思っているならば、たくさん運動をして『勉強に向いた体づくり』にぜひ取り組んでほしいですね」(同)

――小学生になると、子ども自身も何かと忙しくなり、親子で触れ合う時間も減ると聞きます。子どもとめいっぱい遊べる最後の機会だと思って、4月までは一緒に外遊びを楽しんでみるのもいいかもしれません。

楽しい経験を通して言葉に触れるのが何よりの国語の勉強に

――国語力を高めたいなら、遊びを通して語彙力を磨くのも一つの手だそう。

 しりとり、ものしりとり(山手線ゲーム)、連想ゲームなどの遊びやゲームを通して、家族で楽しみながら多くの言葉に触れられるといいですね。もちろん絵本を一緒に読むのもおすすめです。お子さんが興味のある物事について調べ物をしてみたり、経験を積んだりするのも、とても役立ちます」(同)

――こうして生活の中で積んだたくさんの言葉の経験が、授業によって体系化され、知識として定着していくのだそう。

「また、自分の興味に沿って物事を学ぶ楽しみを知っている子は、素直に聞き入れる気持ち、できるまで頑張ろうという気持ちが育ちやすい。そういう子は、いろいろなことをスポンジのように吸収して伸びていくんですよ。

反対に、知識を単なる知識として詰め込んだ子は、学ぶ楽しみを知りません。また、先取りして知識を詰め込むと、新しいことに触れても『知ってる』と言って取り入れようとしないこともあります」(同)

――最後に「生活での経験を学校で知識として整理し、学校で身に着けた知識を生活の中で生かす。学校と家庭とで、そんな役割分担ができれば」と話してくださった遠藤先生。これは、入学前だけにとどまらず、入学後も心にとめておいたほうがいいことかもしれません。

(取材・執筆:有馬ゆえ)