お役立ち教育情報 学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句 第6回

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2020.11.04

27歳の若さで学研の編集者と俳人、2つの顔をもつ中西亮太が、毎回オススメの季語と俳句を紹介していくこのコーナー。今回からは、冬の俳句に入ります。

第5回はコチラ

 

第6回 今日の季語「大根」(冬)

大根2

大根を水くしやくしやにして洗ふ

(だいこんを みずくしゃくしゃに してあらう)

高濱虚子(たかはまきょし)

季語が生み出す物語

高濱虚子には〈流れゆく大根の葉の早さかな〉という、俳句界ではちょっぴり有名な句があります。でも、今回紹介する句もとても面白いと思いませんか? 水がまるで一枚の布のようにうねる様子が思い浮かんできます。

この句の味わいは、水の描かれ方だけではありません。水で大根を洗っているところにも物語が生まれています。これから料理でもするのでしょうか? 冬の冷たい水に手を浸けて、一生懸命に大根を洗う。水は、大根の色をそのまま透かすように澄んでいて、その水に浸かる手は、霜焼けてほんのり赤くなっている……。大根と人肌の色彩豊かなコントラストが想像できます。

以上、大根を手がかりにしたことで、家事にまつわるシーンを読み取ることができました。このように、季語に注目することで、作品の奥行きが見えてくることもあるのです。

 

中西亮太の「学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句」は、第1・第3水曜にお届けします! 次回もお楽しみに♪


中西亮太(なかにし りょうた)

1992年生まれ。株式会社学研プラスの編集者。大学生のとき、甘い考えでうかつに俳句をはじめる。過去に、第14回龍谷大学青春俳句大賞最優秀賞、NHK-Eテレ「俳句王国がゆく」出演など。「艀」(終刊)を経て、「円座」「秋草」現代俳句協会所属。俳句とは広く浅く長く付き合いたいと思っている。冬の作品に〈校庭のぽんと明るし雪達磨〉。