お役立ち教育情報 学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句 第5回

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2020.10.21

27歳の若さで学研の編集者と俳人、2つの顔をもつ中西亮太が、毎回オススメの季語と俳句を紹介していくこのコーナー。第5回は、秋の風物詩の代表格、「紅葉(もみじ)」です。

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第5回 今日の季語「紅葉」(秋)

初紅葉といひて面をあげにける
(はつもみじと いいておもてを あげにける)

川崎展宏(かわさきてんこう)

季節を楽しむ

「あ、もみじ」と、つぶやく人が顔を上げた瞬間を詠んだ一句です。意味がはっきりしていて、わかりやすい作品ですね。でもこの句、シンプルに見えて、とても豊かな景色を想像させてくれます。
まずは、紅葉の様子です。「初紅葉」とあるので、まばらに染まりつつあるのでしょう。作者がいる周辺が想像できます。次に「人」。この句は、作者自身を詠んだというより、別の誰かを見て詠んでいるような感じがしますね。すると、作者の周辺には、友達や妻、あるいはまったく別の人か、誰かがいることが想像できます。さらに、この句の雰囲気はどうでしょう。顔を上げるという描写には、どこか前向きで明るい感じがあります。
一見シンプルに見える作品ですが、深まる秋を誰かと楽しむ、そんな幸福感に満ちた句として読むことができるのではないでしょうか。

中西亮太の「学研の俳句おにいさんが解説 読解力が伸びる! 親子で味わう俳句」は、第1・第3水曜にお届けします! 次回もお楽しみに♪


中西亮太(なかにし りょうた)

1992年生まれ。株式会社学研プラスの編集者。大学生のとき、甘い考えでうかつに俳句をはじめる。過去に、第14回龍谷大学青春俳句大賞最優秀賞、NHK-Eテレ「俳句王国がゆく」出演など。「艀」(終刊)を経て、「円座」「秋草」現代俳句協会所属。俳句とは広く浅く長く付き合いたいと思っている。秋の作品に〈雁を追ふ首ゆつくりと右へ右へ〉。